それぞれの悲しみ

 

クロス〜村正編〜

 

 

もう、どれくらい昔だろう・・・・。

壬生が長くないと感じ始めたのは。

昔は笑顔で溢れいていた壬生の地(ここ)も、今ではその面影すら見えなくなってしまった。

もう・・・・・自分ではどうしようにもできないと悟ってしまった。

太四老の長である自分が無力に思えた・・・・。

もう、どんなことをしても昔のようにはならないと・・・。

 

 

 

「行ってしまわれるのですか・・・?」

ひしぎがどこか悲しげに言う。

「ええ。すみません・・・・こんな形で壬生の地を去ることになるとは・・・」

「・・・・・・・・・」

「心残りは沢山ありますが・・・・もう、一度決めたことですから・・・・」

そう言うと村正はどこかへ消えていった。

 

 

 

 

今の壬生は力に溺れすぎている・・・。

昔は人々に優しかった・・・・。

何時からだろう・・・・・壬生が変わったのは・・・。

先代紅の王が変わられてしまった・・・。

そのせいだろうか・・・?

だくさんの考えが私を巡った。

 

 

「狂が信長を殺したそうだぞ」

「聞いた、聞いた・・・・壬生の裏切り者だな」

私が壬生のことで悩んでいる中、一つの事件が起こった。

狂が信長を殺した・・・。

その事件は疾風の如く壬生の間に広がった。

元々壬生一族の中で異端視されていた狂が、さらに敵視されてきた。

『壬生を脅かす者』として・・・。

 

「狂の処分、何故あんなに軽くされたのですか?」

ひしぎが私に尋ねてくる。

「皆、不満に思っているようですよ?」

「・・・・・・・いずれ分かる時が来ます」

そう・・・いずれ。

狂は私の希望です。

何者にも流されない強固の意志と・・・それに劣らぬ力・・・・。

もしかしたら・・・・・。

 

 

「何、ボーっとしてるの?」

後ろから真弓の優しい声が聞こえてくる。

「すみません・・・ちょっと物思いに耽ってました」

「・・・・・・・・・」

「どうかしましたか?」

「ん?なんでもない」

「そうですか・・・」

「それより、お昼にしましょう。

 真尋が待ってる」

「そうですね」

 

 

私は再び人の温かさに触れることができた。

私は決してこの温かさを忘れることはないだろう・・・。

 

決して――・・・・・

 

 

END

 

 

クロスシリーズ、村正編でした。

いや・・・村正さんほど不幸な方は居られないと思いたいです。

村正さんが壬生を出ていったのは壬生のためなんでしょうね・・・。

本当に、貧乏くじを・・(何か違う・・)

 

それと、村雨様、こんな駄作を送りつけてすみません・・・。

駄作がスランプのせいでさらに駄作に・・・(スランプのせいじゃないだろ・・・)

最後になりましたが・・・HP開設、おめでとうございます。

 

もみじ。

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