努力は大切です。
それは小さな・・・
なつきは紙と筆を持って何かを一生懸命していた。
眉間にはしわが寄っている。
その横でサスケは暇そうに筆を持って落書きをしていた。
「なつきちゃん、進んでる?」
障子から幸村が入ってきた。
なつきは幸村に呼ばれたのに気が付いて、ぱっと表情が明るくなる。
そして首を横に振る。
なつきの仕草をみて幸村はなつきに近づく。
「どれどれ・・・・・」
幸村は紙をとって、見てみる。
「うん。上出来だよ」
にっこりと笑って、なつきを見る。
「サスケなんてこれくらいの字を覚えるのに、大分かかったんだから」
その言葉を聞いてサスケはムッとする。
「悪かったなー!!」
出来が悪くてっと、続ける。
今、なつきは文字を覚えている。
言葉が話せない分、文章を書いて筆談をして会話をしようと言うことになったのである。
しかし、なつきは教育をあまり受けていないのか、文字が書けなかったのである。
「別に出来が悪いとは一言も言って無いじゃないか」
「オレにはそう聞こえるんだよ」
つんつんっと、幸村の服を引っ張る。
そこにはなつきが紙に何かを書いていた。
『サスケをあんまりイジメないで』
そう書かれてあった。
幸村は手を夏来の頭の上に乗せてなでてやった。
「ということで、サスケをいじめるのはこれくらいにしようかな?」
「・・・・・・・・・・」
全く、サスケにとっては良い迷惑である。
『サスケ!』
「あ?」
なつきはサスケの服を引っ張って、サスケを呼び止めた。
ここは中庭。
なつきは暇だったのでサスケを呼び止めた。
『お話ししてよ』
紙にはそう書かれていた。
「・・・・・・めんどくさい」
『どうして?』
「オレ、あんまりそう言うの知らないし」
『ふーん・・・・』
「ま、小助辺りにでも聞いてみたらどうだ?」
『うん。』
にっこり笑う。
『あ、でも・・・・サスケの住んでいたところのお話しして』
「オレの住んでいたところ?」
『うん。幸村兄さんから聞いたよ。
サスケって幸村兄さんに拾われたんでしょ』
「・・・・・・そうだ」
サスケは少し表情を変えた。
「だったらあそこで、話してやるよ」
座れるところを指さして、歩いていった。
「俺の住んでいたところ・・・・」
サスケはどこまでも澄んでいる青空を見上げた。
空には小鳥が飛んでいた。
「・・・・・・オレの住んでいたところは、絶えず殺し合いばっかりだった」
黄色の瞳が、なつきを見つめる。
「別に俺は何とも思わなかった。
やらなければ、やられるだけだし
殺すのが当たり前だったからな」
なつきは何故か悲しそうな表情になる。
「そんな中でも、オレには親友がいた。
でもオレは・・・・・・・」
ハッとしてサスケは語るのを止めた。
「何でもねえ」
気にするな、と言った。
そよ風が二人を優しく包み込んだ。
『なつきの・・・・・』
「ん?」
『なつきの住んでいたところと似ているね』
震えた文字で書いてあった。
その文章が何を意味するか、サスケはまだ知らなかった。
つづく
あとがき。
うん。微妙!!
って、はっきり言えるわけもなく・・・・。
「いつまで続くんだよ、馬鹿野郎!」
と、言われても仕方がない。
しばらくは日常小話。
話しが進展しなくてスミマセン。
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